葬儀の現場には、時に想像を超える状況が訪れます。その一つが「腐乱死体(腐乱4体)」との対面です。今回は、新米葬儀屋だった私が、初めてその現場に立ち会った時の記録を残します。
葬儀屋のある意味一番のハードルを迎えた話をします。

腐乱4体とは、、調べると、、、
腐乱4体とは、死亡後に身体が分解・腐敗する過程が進行した状態の死体を指します。この腐敗は、身体内部および外部の微生物や細菌の作用によって組織が分解されることによって引き起こされます。腐乱の進行具合は、以下の要因によって異なります。
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腐乱死体とは?
「腐乱死体(ふらんしたい)」とは、死後に時間が経過し、身体が腐敗・分解してしまった状態の遺体のことを指します。これは細菌や微生物の働きによって起こる自然な現象で、進行には以下のような要因が関係します。
- 死後の経過時間:一般的に数日で初期腐敗が始まります。
- 環境条件:高温多湿では腐敗が早く進み、低温乾燥では遅くなります。
- 外見の変化:
- 皮膚の変色(青緑から黒へ)
- 強烈な腐敗臭
- 体の膨張、皮膚や組織の剥離
- 内臓の液状化やガスの発生
葬儀屋として、このような状態の遺体と向き合う場面も避けられません。

「孤独死」との向き合い方
腐乱死体の多くは、発見が遅れる「孤独死」によって見つかります。
「身寄りがない」「人知れず亡くなる」「尊厳が守られなかった最期」──その現実に、感情を抱かずに接することは困難です。
でも葬儀屋は、その感情を一度脇に置き、プロとしての役目を果たさねばなりません。そうでなければ務まらないと、自分に言い聞かせるしかありませんでした。
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初めての現場──覚悟と混乱のはざまで
「今回は腐乱4体だから」と、先輩からあらかじめ聞いていました。心の準備はしていたつもりでした。「大丈夫、オレは葬儀屋だ」と自分に言い聞かせ、警察署の安置所に向かいました。
現場には先輩、警察官、葬儀社としての“私”の立場がありました。新米の私は、ただ言われるまま、目の前のことに対応するだけで精一杯。「ウジが湧いていた」とか、そういう事実すら、冷静に受け入れていたように思います。
臭いについては、「ホルマリンのような匂いかな?」と思いましたが、先輩に「そんな処理はしないよ」と言われて驚きました。これは実験ではなく、「検証」として扱われているのだと。
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終わりではなく、始まり
遺体との対面は始まりに過ぎません。その後もやることは山ほどあります。
腐敗が進んでいる以上、ドライアイスや消臭管理をしながら、一時安置を続ける必要があります。連絡が取れそうなご親族を調査し、血縁をたどっていく作業も始まります。すぐに親族が見つかれば良いのですが、長い時間を要することも少なくありません。
その間にも腐敗は進行し続けるため、葬儀社側としては体制を整え、丁重にお預かりしなければなりません。

見たくはない。でも、見るしかない。
あらためて腐乱死体を目にした時、私の感想は「よくわからない」でした。現実離れしていて、映画の特殊メイクのようにも感じられました。これはきっと、自分の心を守るための反応だったのかもしれません。
でも、そうした経験を通じて、「私は葬儀屋としてやっていける」と思えるようになりました。感染症対策も進み、昔のように素手で触ることはありません。私たちは、命の最期を扱うプロとして、故人を丁重に、冷静に、敬意をもって送ることが求められるのです。
おわりに
腐乱死体は、誰しもが見たくないものかもしれません。でも、そこにあったのは、確かに「人の最期」でした。
できれば、誰もが見なくて済む人生を送ってほしい──そう願うと同時に、私は葬儀屋として、どんな最期にも向き合える人間でありたいと思っています。
