はじめに|静寂の中の“違和感”
葬儀社で働いていると、日常とはちょっと違う空間にいる感覚があります。
静かで、厳かで、でもどこか空気が重たいような——。
慣れているつもりでも、ふとした瞬間に「これは、何かおかしい」と思うことがあるんです。
今回は、**私自身が体験した出来事と、同業者から聞いたリアルな“ちょっと怖い話”**をまとめてご紹介します。

👂体験談①|耳元で聞こえた「南無阿弥陀仏…」
ある日の斎場準備中、一緒にいたスタッフが別作業へ移動し、ふと気づけば自分ひとりに。
静まり返る会場。時計の針とエアコンの音だけが響いていました。
その時です。
突然、耳元で「南無阿弥陀仏…」という男性の低い声がはっきりと聞こえたのです。
BGMは流していませんし、誰もいない。
録音?とも思いましたが、そんな機材も見当たらない。
気がつくと私は椅子に座っていました。
意識が薄れていたようで、他のスタッフに
「おい!寝てんじゃねーよ!」
と起こされてしまいました。
あとで調べたところ、「南無阿弥陀仏」は浄土真宗の念仏。
念仏を唱えることで救いを得るという教えだそうですが…
…正直、そのときは“救われたくなかった”かもしれません(笑)

📵体験談②|スマホが突然「完全圏外」に
別の日、火葬場での式進行中、スマホを確認しようとした瞬間のこと。
画面には……**「圏外」**の文字。
しかも、1本も立っていない。完全なゼロ状態。
持ち上げても、場所を変えても、再起動しても無反応。
けれど、式が終わった途端に、何事もなかったかのように復活。
普段から電波が弱めの場所ではありますが、完全に消えることはまずありません。
「この時間帯だけ、何かが起こっていた」と思えてしまうんです。

👻他のスタッフが語る“ちょっと怖い話”
① 誰もいないのにセンサーが反応!?
夜、控室前の廊下にある人感センサーの照明がパッと点灯。
「誰か来た?」と見に行くも、誰もいない。風もなく虫もいない。
しかもその後、決まって同じ時間に点灯するようになったそうです。
🧍♂️「〇〇さん…来たのかもしれませんね」
——ベテランスタッフのつぶやきが印象的だったとか。
② 斎場のカーテンが「勝手に開いた」
夜間搬送後、一人で準備をしていた夜中の3時。
誰も触っていない重い遮光カーテンが“シャーッ”と開く音がしたとのこと。
風では動かないタイプだったそうでゾッとしたそうですが、
「あー、ここよくあるんだよね(笑)」
と他のスタッフは妙に慣れていたそうです。
③ 遺体安置室のカメラに“白い影”
ある式場では安置室にセキュリティカメラを設置しており、
モニターを確認していた夜勤スタッフが、「白いモヤのようなもの」が映っているのを発見。
録画を確認すると、なぜか映像には残っていなかったそうです。
幽霊?
機械のノイズ?
それとも“お迎え”…?
謎は謎のまま、です。
④ お別れの夜に聞こえた“ありがとう”
あるご遺族が「母はこの世に未練がありそうで…」と話していた式の夜。
準備室で寝泊まりしていたスタッフが、ふと目を覚ますと、
「ありがとう…」という女性の声が、誰もいない部屋に響いたといいます。
翌日、ご遺族に何気なく話したところ、
「その声、母の声にそっくりです…」
と泣き出されたとのこと。

⑤ “○○寺の裏手”は出ると有名…
ある式場の休憩所について、「落ち着かない」「背後が気になる」と話すスタッフが複数。
後から調べたところ、その場所はかつて寺の墓地だった土地だったとのこと。
夏でも寒い、
誰かに見られている感覚がある…
…そんな証言が、ひとつではなかったそうです。
💡まとめ|“気のせい”では片づけられない感覚
こうした体験をすると、霊感の有無に関係なく、
“何か”を感じることはあるのだなと実感します。
- 疲れているとき
- 一人になったとき
- 気を抜いたとき
その瞬間、ふと境界線が薄くなるのかもしれません。

✍️あとがき|それでも、日常の中で
怖いようで、でもどこか温かくもある。
私たちが働く現場には、目に見えないものが確かに存在している気がします。
それが「気のせい」なのか、「何かのお知らせ」なのかはわかりませんが、
今日もまた、どこかの斎場で——
誰かの“ありがとう”が、届いているのかもしれません。
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