
はじめに
突然の訃報、深い悲しみの中で「喪主をお願いします」と言われる——そんな状況に戸惑う方は少なくありません。
喪主という役割には、多くの「決断」と「対応」が求められます。
本記事では、**喪主として“今なにをすべきか”**を最優先に、よくある失敗や注意点、当日の立ち振る舞い、そもそも喪主とは何かまで、段階的に解説していきます。
第1章:喪主になったらまず何をすべきか?【初動マニュアル】
① 葬儀社への連絡と手配
まず最初に行うべきは、葬儀社の手配です。病院で亡くなられた場合、多くはその場で葬儀社を紹介されますが、希望する葬儀社があれば事前に伝えることが大切です。
この時点で喪主としてやるべきこと:
- 故人の安置場所の確認(自宅・葬儀場・安置施設)
- 葬儀社と葬儀の形式・場所・日時を調整
- 寺院や宗教者への連絡(宗派確認)
② 家族・親族への連絡
次に近親者への連絡網の構築。訃報を知らせる順番や言葉選びにも注意が必要です。
電話口でパニックにならないよう、「誰に・何を・どう伝えるか」を紙に書いて整理しておくと安心です。
③ 必要書類と手続き
- 死亡診断書の受け取りと火葬許可申請
- 戸籍や保険証などの確認
第2章:喪主としてよくある失敗と、その防止策
● 失敗①:一人で全部抱え込む
喪主=全責任ではありません。副喪主や親族代表にうまく頼ることが、結果的に円滑な運営につながります。
● 失敗②:形式ばかりを重視しすぎる
「ちゃんとやらなきゃ」と思うあまり、気持ちが置き去りになるケースも。
葬儀はあくまで故人を偲ぶ場。**“何をどうするか”ではなく、“なぜそうするのか”**を意識することで本質が見えてきます。
● 失敗③:親族や参列者への配慮不足
香典返し・焼香順・席順などでトラブルになりやすいポイント。
ここは葬儀社に事前にしっかり相談し、喪主として「配慮している姿勢」が大切です。

第3章:喪主の当日、立ち振る舞いのポイント
喪主は式全体の“顔”です。以下の3点が重要です。
① 慌てず、姿勢と表情を意識する
気持ちが不安定になるのは当然ですが、背筋を伸ばし、落ち着いた動作を心がけましょう。
挨拶や進行はスタッフがサポートしてくれます。
② 式中の主な喪主の役割
- 開式前の導師やスタッフへの挨拶
- 開式の喪主挨拶(または読経後の謝辞)
- 親族代表として焼香
- 会葬者へのお礼(会葬礼状や手渡しも含む)
③ 終了後の喪主の仕事
- 精進落としのあいさつ
- 香典の整理・管理
- 忌明けの法要準備(四十九日など)
第4章:そもそも「喪主」とは?なぜ選ばれるのか
● 喪主=儀式の代表者であり、精神的な柱
喪主は法律で決まっているわけではありません。
一般的には、配偶者→長男→その他の子どもや兄弟姉妹という順で選ばれることが多いですが、家族の事情や関係性により柔軟に決められます。
● 現代では「女性の喪主」も増加中
高齢化・核家族化により、配偶者を看取った妻がそのまま喪主を担うケースや、子ども世代の女性が喪主になることも。
「喪主=男」という固定観念は崩れつつあります。
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第5章:まとめ|喪主に必要なのは“完璧さ”より“誠意”
喪主は、決して「なんでも知っていなければいけない人」ではありません。
大切なのは、故人を大切に送りたいという“想い”と、遺族としての誠実な姿勢です。
そして、ひとりで悩まないこと。葬儀社・親族・宗教者・友人……頼れる人は必ずいます。
この記事が、あなたの負担を少しでも軽くし、大切な別れの時間に心を向ける手助けになれば幸いです。