葬儀の現場は厳粛でありながらも、時間に追われ、スタッフ同士の連携が欠かせません。
しかし、派遣スタッフとして働いていると、情報共有不足や立場の弱さから理不尽な扱いを受けることがあります。
この記事では、葬儀現場で実際に私が経験した「理不尽だと感じた出来事」を3つ紹介し、
あわせて「なぜそうなったのか」「どう改善できるのか」をお伝えします。
同じ業界で働く方や派遣で働く方の参考になれば幸いです。

1. 焼香案内できないだけで「呼んだ意味ない」と言われた
現場での出来事
ある日、本部からの指示は「明日は◯◯斎場へ行ってください」だけ。
現場に到着すると、葬儀社担当者からいきなり「焼香案内できる?」と聞かれました。
やり方は知っているものの、実務経験はなし。正直に「やったことはない」と伝えると、
担当者は「マジかよー!」と呆れた様子。
その後、控室で待機していると、二人きりになったタイミングでこう言われました。
「焼香案内もできないんじゃ、呼んだ意味ないんだよね!」
最終的に「もう帰っていい」と言われ、本部に確認すると「そんな依頼はしていない」とのこと。
原因は本部と現場の連携不足でした。
改善のためのポイント
派遣スタッフ側も、事前に可能業務をリスト化して伝えておく
派遣依頼時に業務内容を明確化する(焼香案内の有無など)
初めて行う作業は、現場到着前に簡単な説明資料を共有してもらう

2. 指示通り動いたのに「余計なことするな」と怒鳴られた
現場での出来事
別の日、忙しい葬儀現場で担当者に「交通誘導してきて」と指示され、
霊柩車の出棺がスムーズになるよう誘導していました。
そこへ別のスタッフが来て、開口一番、
「余計なことするんじゃねーよ!」
と言われました。
私は指示された通り動いただけなのに、まるで勝手な行動をしたかのような言い方。
こういう板挟みは、派遣スタッフには珍しくありません。
改善のためのポイント
派遣スタッフは「誰の指示で動いているか」を常に確認し、第三者に説明できるようにする
指示系統を一元化(誰が指揮権を持っているか明確にする)
複数スタッフが関わる場合は、作業前に役割分担を共有

3. 知らないことを怒鳴られても解決しない
現場での出来事
ある日、突然「〇〇して!」とだけ言われました。
しかし「〇〇」が何を意味するのか分からず、聞き返すとさらに強い口調で繰り返されるばかり。
結局、そのまま怒鳴られ、萎縮してしまいました。
改善のためのポイント
怒鳴るより、終わってから次回のためのフィードバックを行う
初めて聞く指示や用語は、その場で意味を説明する
可能であれば写真や指差しで具体的に示す

派遣だからこそ見える現場の課題
派遣スタッフは「その日、その現場だけ」の存在と思われがちですが、
だからこそ複数の現場を見比べ、連携の良し悪しや雰囲気の違いを実感できます。
- 連携が取れている現場は指示も明確で動きやすい
- 指示が曖昧な現場はトラブルや怒鳴り声が増える
結局のところ、人の言い方や対応一つで現場の空気は大きく変わるのです。
葬儀業界に必要なのは「一呼吸置く文化」
この記事は単なる愚痴ではありません。
派遣スタッフの立場から見た現場の課題を共有することで、
葬儀業界全体の改善につながることを願っています。
怒鳴る前に、一呼吸置いて「なぜこうなったのか」を考える。
その積み重ねが、式の質やスタッフの士気を高めるはずです。
著者プロフィール
葬儀業界で派遣スタッフとして勤務中。
これまで99件以上の現場に参加し、受付・案内・搬送など幅広い業務を経験。
現場のリアルな課題と改善案を発信しています。
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