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はじめに|「えっ、仏教じゃないの?」——神道の葬儀に呼ばれたあなたへ
日本では「葬儀=仏教式」というイメージが一般的です。しかし、神道にも独自の葬送儀礼があり、神道系の教団に所属する人々はそれに則ったかたちで故人を見送ります。
今回は、そんな「神道の葬式」について、初めて出席する人でも戸惑わないように、基本的なマナーや宗教的背景、そして神道系三大教団(天理教・金光教・黒住教)の教えと地域的な広がりも含めてご紹介します。

第1章:神道とは?|多くの日本人が“知らずに慣れ親しんでいる”宗教
- 神道は日本古来の自然信仰(八百万の神、祖霊信仰)
- 仏教のような経典や開祖は存在せず、「形式にとらわれない宗教」
- 明治時代以降、国家神道・神社神道・神道系新宗教へと分化
- 現代でも日常生活の中(正月・神社参拝・地鎮祭)に自然と根付いている
第2章:神道の葬儀とは?|仏教とはこんなに違う!
● 仏教葬儀との違いまとめ
項目 | 仏教式 | 神道式 |
---|---|---|
儀式の名称 | 葬儀式・告別式 | 神葬祭(しんそうさい) |
宗教者 | 僧侶(お坊さん) | 神職(神主) |
焼香のかわり | 焼香 | 玉串奉奠(たまぐしほうてん) |
お経 or 祝詞 | お経 | 祝詞(のりと) |
戒名の有無 | あり | なし(諡名=おくりな) |
● “死=穢れ”という神道の考え
- 神道では死は「穢れ(けがれ)」とされるため、神社で葬儀は行わない
- 多くは自宅や葬儀式場で「神葬祭」が行われる
- 魂を慰めるというより、神に命を返すという思想に基づく

第3章:参列者が気をつけるポイント
✅ 服装
- 黒い礼服でOK(仏教と同様)
- 数珠は使用しない(神道では不適切)
✅ 香典袋の表書き
- 「御玉串料」「御霊前」などが適切
- 「御香典」は仏式用なので避ける
✅ 焼香の代わりに行う「玉串奉奠」
- 神前に捧げられる榊の枝を手渡され、所定の作法で供える
- 分からなければ、神職や係の人の案内に従えば大丈夫
✅ 拝礼の作法
- 「二礼二拍手一礼」ではなく、二礼+黙礼(一礼)が基本
- 静かに、敬意を込めた態度を心がければ問題なし
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第4章:神道系三大教団とは?|神道を信仰する人たちの“教団的な形”
◼ 天理教(奈良県天理市)
- 教祖:中山みき
- 神名:天理王命
- 教え:陽気ぐらし、助け合い
- 特徴:市全体が教団都市、教育・福祉・文化活動に強み
◼ 金光教(岡山県浅口市)
- 教祖:川手文治郎(金光大神)
- 神名:天地金乃神
- 教え:「取次ぎ」によって神意を受け取る
- 特徴:家庭に根ざした信仰、静かな祈りが中心
◼ 黒住教(岡山県岡山市)
- 教祖:黒住宗忠
- 神名:天照大御神
- 教え:日拝による太陽信仰、「天命直受」
- 特徴:自然との一体感、素朴な信仰スタイル
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第5章:なぜ神道系教団は関西で強いのか?
- 昔の日本では、奈良・京都・伊勢など関西の地域が、政治や宗教の中心でした。そのため、神道に関係する神社や伝統が多く残っています。
伊勢神宮や京都のお祭り、奈良の古い制度には、神道の歴史が深く関わっています。また、出雲や岡山の神社も、日本神話に登場する重要な場所です。
明治時代になると、仏教と神道を分ける動きがあり、それぞれの地域で信仰を大切にする教団が生まれました。西日本では、家族や地域のつながりを元にした信仰が広がりやすかったのです。
天理教や金光教は、そのような背景の中で町ぐるみの信仰として定着しました。神道の教団が関西で広がったのは、古くからの文化と人々のつながりがあったからです。
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第6章:神道の葬儀文化を知るということ
- 仏式と違い「成仏」や「供養」ではなく、「神に命を返す」思想が中心
- 故人を神のもとに送り出し、残された者が敬意と感謝を捧げる儀礼
- 一見わかりにくくても、静かで厳かな葬儀としての価値がある
【まとめ】知らなかったあなたへ——神道の葬儀も、立派な“おくり方”のひとつです
- 日本には多様な宗教と死生観が存在する
- 神道の葬儀は静かで神聖、形式にとらわれないが意味深い
- 初めてでも、敬意を持って参列することが何よりのマナー
- そして、三大教団を通して神道の文化を知ることで、より広く深い視点が持てるようになります
※「神道の葬儀」に呼ばれて不安な方、「どんな宗教か知らないけど出席しないといけない」方にとって、本記事が参考になれば幸いです。
