知人や友人が立正佼成会の会員だった場合、その方のご葬儀に招かれることもあるかもしれません。とはいえ、立正佼成会は仏教系でも少し独自の形式をとる団体。初めての方にとっては、戸惑う点もあるかもしれません。この記事では、立正佼成会とはどんな団体か、そして葬儀に参列する際に気をつけたいポイントを分かりやすくまとめました。

立正佼成会とは?
1938年に庭野日敬氏と長沼妙佼氏によって創立された、仏教系の在家宗教団体です。法華経(三部経)を信仰の柱としており、僧侶を持たず、在家の信者が中心となって活動しています。
主な活動内容:
- 一食を捧げる運動(募金活動)
- 平和・人権・環境活動への貢献
- 他宗教との対話や協力
- 青年部やボランティア活動も活発
- 海外の貧困地域への支援
- 音楽や教育分野での社会貢献
社会貢献にも積極的で、宗教的な枠を超えて活動しているのが特徴です。国際的な宗教間対話にも参加し、世界平和の実現を目指した運動も多く展開しています。

一般的な仏式葬儀との違いは?
項目 | 仏式葬儀(有人葬) | 立正佼成会の葬儀 |
---|---|---|
導師 | 僧侶 | 法輪閣(在家のリーダー) |
経典 | 宗派ごとの経典(浄土宗など) | 法華三部経・お題目(南無妙法蓮華経) |
焼香 | 香を焚く焼香 | 献香(香を供える形式) |
戒名 | 授与される | 基本的になし(俗名で葬ることも) |
雰囲気 | 厳かで宗教的 | 明るく温かな雰囲気 |
死後観 | 極楽往生や成仏 | 仏になる旅立ち、感謝をもって送る |
立正佼成会の葬儀は、僧侶を招かずに在家信者のみで営む点が特徴です。また、法華経を重視した読経や、お題目(南無妙法蓮華経)の唱和も大きな違いとなります。

参列する際のマナーと注意点
初めて立正佼成会の葬儀に出席する場合は、いくつかのポイントを知っておくと安心です。
1. 服装は黒の礼服でOK
一般的な仏式葬儀と同様に、黒い礼服で問題ありません。男性は黒のスーツに白シャツと黒ネクタイ、女性は黒のワンピースやスーツが無難です。
2. 焼香ではなく「献香」
立正佼成会では、香を焚くのではなく「香を献じる」形式をとります。会場では献香の作法が示されることも多く、戸惑わずに案内に従えば大丈夫です。
3. 読経にあわせて「お題目」を唱えることも
「南無妙法蓮華経(なんみょうほうれんげきょう)」というお題目を参列者が一緒に唱える場面もあります。無理に声を出す必要はなく、静かに合掌しているだけでも構いません。
4. 僧侶ではなく「法輪閣」が導師
お経を読む導師はお寺の僧侶ではなく、教会内の在家信者が務めます。僧衣ではなくスーツ姿のこともあるため、葬儀に慣れた方でも一瞬戸惑うかもしれません。
5. 戒名がないこともある
仏式ではよく見られる戒名がない場合があります。俗名や信仰名で読み上げられても、それが失礼ということはありません。
6. 明るめの雰囲気に戸惑わないで
立正佼成会では、死は「仏になる旅立ち」としてとらえます。そのため、故人に感謝を捧げることを重視しており、全体的にあたたかな雰囲気で行われることも少なくありません。
7. 香典は一般的な形式でOK
香典袋は「御霊前」で問題ありません。金額は地域や関係性によって変わりますが、通常の仏式葬儀と同様で大丈夫です。
8. 挨拶や会話も穏やかに
信者の方々は穏やかで礼儀正しい方が多い印象です。形式的な作法よりも、心のこもった言葉や態度を大切にしましょう。

よくある質問(Q&A)
Q:立正佼成会の会員でなくても参列して大丈夫? A:もちろん問題ありません。葬儀は故人を見送る大切な場であり、信者でない方も多数参列しています。
Q:お題目が言えないけど大丈夫? A:無理に唱える必要はありません。静かに心を込めて手を合わせるだけで十分です。
Q:献花や仏花は必要? A:会場によっては献花が用意される場合もありますが、参列者が持参する必要は基本的にありません。
Q:数珠は必要? A:特に指定はありませんが、持参しておいても問題ありません。使わなくても構いません。

まとめ:心構えがあれば大丈夫
初めて立正佼成会の葬儀に参列する方にとっては、「いつもと違う」ことに戸惑うかもしれません。でも、基本的なマナーと心構えがあれば安心です。
- 礼服で参列
- 指示があれば献香
- お題目は無理せず、合掌でもOK
- 僧侶がいなくても驚かない
- 香典や挨拶も一般的な形式でOK
宗派によって葬儀の形式はさまざま。それぞれの価値観を尊重し、故人を静かに見送る気持ちが一番大切です。知識があることで、不安なく参列できるはずです。
今後、同じような葬儀に参列することがあっても、この記事が少しでも安心材料になれば幸いです。
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