はじめに|宗教と政治の「微妙な関係」に注目が集まる理由
「政教分離」は日本国憲法における基本原則のひとつ。しかし実際には、**宗教団体と政治家との“つながり”**が取り沙汰されることも多々あります。
本記事では、神道系新宗教「天照皇大神宮教」と、政治家との関係──特に岸信介元首相や北村経夫議員との関係について詳しく解説していきます。

第1章|統一教会との文書に「首相の依頼」?報道で注目された選挙支援
2013年の参院選を前に、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に関する文書が報じられました。そこには、
- 「首相(当時の安倍晋三氏)からの依頼」
- 「北村氏支援のお願い」
といった内容が記されており、政界と宗教界の連携がにわかに注目されるきっかけとなりました。
この北村氏こそが、天照皇大神宮教の教祖・北村サヨの孫である北村経夫議員です。
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第2章:天照皇大神宮教の概要
- 設立:1947年、山口県田布施町を拠点に創立
- 教祖:北村サヨ(1900-1967)
- 教義:「無我」を重視し、神人合一を目指す
- 儀式:特徴的な「無我の舞」により神意を体現
- 信者数:約49万人(2021年時点)
「踊る宗教」として知られ、神秘的かつ閉鎖的な一面を持つ新宗教として知られています。

第3章|“予言”された首相就任──岸信介と北村サヨの関係とは?
戦後まもなく、教祖・北村サヨは岸信介に対し、
「10年以内にあなたは首相になる」と予言したとされます。
そして1957年、岸氏は実際に首相に就任。
この“的中”によって、岸家と北村家は政治・宗教を超えた特別な関係を築くようになりました。
この出来事は、いわゆる「田布施システム」と呼ばれる陰謀論の元ネタとしても引用されがちですが、ここでは確認されている事実のみに絞って紹介します。
第4章|北村経夫議員と教団の関係|“宗教家の孫”の政治的背景
北村経夫議員プロフィール:
- 2013年 参議院議員初当選(自民党)
- 元・産経新聞記者
- 自民党内の「安倍派(清和会)」所属
- 北村サヨの孫にあたる
教団と北村議員の関係性については、
**「教団による選挙支援があった」**との報道があり、
信者による“組織票”の動員も指摘されました。
政治信条への宗教的影響は明言されていませんが、
その背景には確かに「宗教家の血筋」があります。
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第5章|教団の公式見解と社会の疑念
天照皇大神宮教側は、公式に以下のように説明しています。
- 「宗教活動と政治活動には関係がない」
- 「教団として政治に関与していない」
しかし実際には、教団幹部と政治家との交流や、
信者による選挙ボランティアなどが見られ、
社会的には「グレーゾーン」と認識されがちです。

第6章|創価学会・統一教会との比較:表か裏か
日本で有名な宗教と政治の関係といえば、
- 創価学会と公明党:公党として政界で明確に連携
- 統一教会と自民党議員:信者の動員や資金協力
これらに対し、天照皇大神宮教は“裏方”として静かに影響力を持つ存在といえるかもしれません。
第7章|布教活動と社会との摩擦
近年、以下のようなケースで摩擦が生まれています:
- 公共施設へのポスター掲示
- 街頭でのパンフレット配布
- 過剰な勧誘による人間関係の悪化
信仰は本来自由ですが、他者への配慮を欠く布教活動は、
社会的な反発やトラブルの原因にもなります。
おわりに|宗教と政治の“見えない糸”にどう向き合うか
天照皇大神宮教のように、明確な政党との関係を持たずとも、
血縁・地縁・教義・人脈を通じて影響を与える宗教団体は存在します。
信仰そのものを否定するのではなく、
その「影響力がどこまで届いているのか」を私たちは見極める必要があります。