服装・供養マナー・合同法要の基礎までやさしく解説
お彼岸ってそもそも何?なぜ春と秋に2回あるの?
「お彼岸(ひがん)」とは、春分・秋分を中心にした7日間に、先祖を供養する仏教行事です。
春分・秋分は太陽が真西に沈む日。仏教では「西にある彼岸(=悟りの世界)」に思いを馳せやすい日とされており、この時期に故人やご先祖を供養する文化が根づいたのです。これは日本特有の習慣で、他国ではほとんど見られません。
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お彼岸にやってはいけないこと3つ
① 葬儀直後の家でのお彼岸はどう過ごす?
四十九日が済んでいない家庭では、お彼岸の法要は避けるのが一般的。
まだ「忌中(きちゅう)」と呼ばれる期間中で、供養の時期が重複しないよう配慮します。
ただし、お墓参りや静かな手合わせをすることは問題ありません。寺院や僧侶に相談して柔軟に対応しましょう。
② レジャーや旅行に出かけてもいいの?
仏教的に“禁止”というわけではありませんが、
「お彼岸の中日(春分・秋分)くらいは先祖に手を合わせてから出かける」という考え方が好まれます。
家族旅行を計画するなら、墓参りを兼ねた行程にするのもおすすめです。

③ 肉や魚は避けたほうがいい?
精進料理(肉魚を避けた料理)は、お彼岸に限らず仏教での基本的な供養の形。
「命を断たない=供養の心を持つ」ことを大切にし、家庭でもできる範囲で実践すると良いでしょう。
厳格に守る必要はありませんが、食事の際に「いただきます」の気持ちを込めるだけでも立派な供養です。
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お墓参りのマナーと準備
▷ いつ行くのがベスト?
彼岸の「中日」(春分の日・秋分の日)が理想的ですが、前後を含む7日間いつでも構いません。
家族の都合に合わせて無理のない日程を選びましょう。

▷ 持ち物チェックリスト
- 線香とライター(風よけがあると便利)
- お花(白・紫・黄色の落ち着いた色)
- お供え物(和菓子・果物など)
- 墓石用の掃除道具(スポンジやタオル)
- 数珠とハンカチ
※お供え物は持ち帰るのが基本マナーです。
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合同法要ってどんなもの?どう参加すればいい?
寺院や納骨堂で行われる**「合同法要」**は、複数の家の先祖を一緒に供養する読経行事です。
個別法要に比べて費用を抑えつつ、しっかりと供養できるため人気があります。
▷ 服装は?持ち物は?
- 黒やグレーなど落ち着いた色の服装が基本
- 男性:ビジネススーツに黒ネクタイ
- 女性:露出を控えたダークカラーの服装
- 子ども:制服か地味な私服
- 念のため、香典(志)を用意しておくと安心です(3,000〜5,000円が目安)
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まとめ:できる範囲で、心を込めた供養を
お彼岸は、形式よりも**「供養の気持ち」**が大切です。
無理に仏教的な知識や作法を完璧に守らなくても、「先祖に感謝する心」「今ある命を大切に思う気持ち」があれば、どんな形でも立派な供養になります。
「何となく毎年行っていた」という方も、今年は意味を知って、少しだけ丁寧に過ごしてみてはいかがでしょうか。
