——故人を美しく衛生的に保つために「知っていますか?故人を美しく保つ“エンバーミング”のすべて」

① 夏の葬儀、遺体の腐敗が早いって本当?
夏場の葬儀は、高温多湿の影響で遺体の腐敗が進みやすくなります。
「遠方の親族を待ちたい」「数日後に葬儀をしたい」——そんなとき、衛生面や見た目の変化を心配されるご遺族も少なくありません。
このような季節に特に注目されるのが、**遺体を衛生的かつ美しい状態に保つ“エンバーミング”**という処置です。

② エンバーミングとは?——防腐+修復の技術
エンバーミング(Embalming)とは、血液や体液を防腐処理液に置き換えることで腐敗を防ぐ技術です。
さらに、事故や病気で損傷した遺体に**修復・メイクアップ(レストレーション)**を施し、生前に近い状態へ整えることも含まれます。
海外では一般的な処置であり、日本でも専門資格を持ったエンバーマーが対応しています。
③ エンバーミングが必要とされる主なシーン
- 遠方の親族が到着するまでに数日かかる
- ゆっくりお別れの時間を取りたい
- 開棺して故人と直接対面したい
- 海外からの搬送が必要(航空会社や国の規定で必須)
- 事故や病気による損傷が激しい
- 解剖・検視などで安置期間が延びる
いずれも、時間経過による変化を抑えるために有効です。

④ エンバーミングの具体的な流れ
- 葬儀社や専門施設での相談・カウンセリング
- 遺体の搬送・洗浄・消毒
- 動脈から防腐処理液を注入、体腔内の処置
- 顔や体の損傷の修復・メイクアップ
- 棺に納め、遺族のもとへ引き渡し
処置時間は通常4〜6時間前後で、損傷が大きい場合は長くなることもあります。
⑤ エンバーミングのメリットとは?
- 高温でも腐敗リスクを抑えられる
- 衛生的に保てるため、感染症対策にも有効
- 自然な表情でのお別れが可能
- 海外搬送や長期安置にも対応できる
特に夏の季節には、腐敗防止という実用面での安心感が大きなメリットとなります。

⑥ エンバーミングのデメリットと注意点
- 費用がかさむ(20〜50万円前後。修復追加で高額に)
- 文化的・宗教的に抵抗がある場合も
- 日本では対応施設・技術者が限られる
さらに、処置の精度に差があるため、技術者の経験も重要なポイントです。

⑦ よくある失敗例とトラブルを防ぐために
- 処置が不完全で一部に腐敗が進行
- 損傷の修復が期待通りにいかない
- 「切開するの?」など誤解や不安が拭えないまま進行
- 技術者の実績・資格不足
こうしたトラブルを避けるためには、事前説明の丁寧さ・納得できるまでの相談が不可欠です。
⑧ 費用・依頼方法と、事前相談の重要性
内容 | 費用の目安 |
---|---|
基本エンバーミング | 約20〜30万円 |
修復・特殊処置 | +数万円〜10万円以上 |
海外搬送・特別対応 | 別途パッケージあり |
多くは葬儀社を通じて依頼できます。提携施設・信頼できるエンバーマーの紹介も可能です。
また、場合によっては保険や自治体の補助対象となることもあるので、早めの確認を。
最後に|「悔いのないお別れ」を支える選択肢のひとつ
エンバーミングは、単なる防腐処置ではなく、故人をきれいに保ち、家族が穏やかにお別れできる時間をつくる技術です。
特に夏は、遺体の状態に対する不安や焦りが出やすい季節。だからこそ、こうした処置が選択肢にあることを知っておくだけでも、いざというときの安心につながるはずです。
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