はじめに
「小さなお葬式」という名前を、最近よく耳にしませんか? テレビやネット広告でも見かけることが増え、実際に利用件数は20万件を超えています。
費用が安く、全国どこでも同じ金額で葬儀ができる――そんな魅力的なサービスですが、実際には「思っていたより高くついた」「見積もりと請求が違った」という声も少なくありません。
本記事では、(小さなお葬式(ユニクエスト)の仕組みや過去のトラブル、そして利用時の注意点をわかりやすく解説します。

小さなお葬式(ユニクエスト)とは?
小さなお葬式は、株式会社ユニクエスト(大阪市)が2009年から始めた葬儀サービスです。
特徴は「全国一律料金の定額プラン」で、主なプランは以下の4つです。
- 直葬プラン(火葬式):通夜・告別式を行わず火葬のみ
- 一日葬プラン:告別式と火葬を一日で実施
- 家族葬プラン:親族中心の小規模葬儀
- 一般葬プラン:従来型の参列者を招いた葬儀
実際の施行は、ユニクエストが直接行うのではなく、全国の提携葬儀社が担当します。 この「仲介型」という仕組みが、小さなお葬式の最大の特徴です。
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消費者庁からの措置命令と改善の経緯
2018年、ユニクエストは消費者庁から景品表示法違反の措置命令を受けました。
当時、公式サイトに
- 「追加料金一切不要」
- 「プラン料金がお葬式にかかる全ての費用」
といった表現がありましたが、実際には搬送距離や安置日数などで追加料金が発生することがありました。 この点が「消費者を誤認させる表示」とされ、後に約1億円超の課徴金が命じられています。
その後は、追加料金が発生する可能性を明記するなど表示が改善されています。
ポイントまとめ
小さなお葬式は「安さが魅力」だが、過去に消費者庁から注意を受けた経緯がある。
よくあるトラブル事例(代表3つ)
仲介型サービスで特に起こりやすいのが、見積もりと請求額の差です。
- 安置日数が延びた → ドライアイスや安置料が追加
- 搬送距離が長かった → プランに含まれる範囲を超えて追加料金
- 参列者が想定より増えた → 返礼品や料理の費用が上乗せ
加えて、僧侶手配を依頼すると別途お布施が必要になるなど、結果として当初想定より高額になるケースがあります。
例:見積もり30万円 → 請求60万円以上になった、という声も。
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そうならないための対策(チェックリスト)
契約前に必ず確認しましょう。
- □ 見積書を書面でもらう(口頭説明だけで進めない)
- □ 見積もりに含まれる/含まれない項目の明示(棺・骨壺・会場費・安置費・搬送距離の上限など)
- □ 追加料金が発生する条件の確認(距離・安置日数・参列人数・オプション)
- □ 僧侶手配の費用・お布施の扱い
- □ 式場の指定があるか(提携外の場合の差額)
- □ 可能なら地域の葬儀社でも相見積もり(相場感の把握)

もし式後に過剰請求されたら?(実践フロー)
- 見積書と請求書を突き合わせる(追加項目にチェック)
- 根拠の説明を求める(メールなど記録が残る形で)
- 契約外の費用は、必ずしも支払義務はない
- 納得できる部分のみ支払い、争点は一時保留(領収書を分けてもらう)
- **消費生活センター(188)**や弁護士に相談
ポイント:疑問があれば支払いを急がない。書面・メールで事実関係を残す。
まとめ
- 小さなお葬式(ユニクエスト)は、全国一律の定額プランを仲介するサービス。
- 過去に消費者庁から措置命令を受け、現在は表示が改善されている。
- とはいえ、仲介モデルゆえの追加費用は起きやすい。
- 事前確認と相見積もり、書面での合意が、後悔を最小化する最善策。