阪神・淡路大震災は1月。
能登半島地震も1月。
東日本大震災は3月だが、被災地の東北ではまだ真冬だった。
こうして並べてみると、多くの人が一度はこう感じたことがあるはずだ。
**「大きな地震って、なぜか冬に多くないか?」**と。
さらに最近も、青森県周辺で地震が相次いでいる。
もちろん、これは単なる偶然かもしれない。
それでも、冬という季節に「大地震の記憶」が集中しているのは事実だ。
もし、この冬に同じ規模の地震が起きたら。
今のあなたの備えで、本当に耐えられるだろうか。

本当に「冬に大地震は多い」のか?
地震の発生自体に、明確な季節性はない
まず大前提として、科学的な事実を押さえておきたい。
地震は、プレートの動きや断層にたまった応力が限界に達したときに起こる。
寒いから地震が起きる、という直接的な因果関係は確認されていない。
実際、夏にも秋にも大きな地震は起きている。
地震学的には「冬に多い」と断定することはできない。
ここは、はっきり言っておく必要がある。
それでも「冬の大地震」が強く記憶に残る理由
ではなぜ、私たちは「冬に多い」と感じるのか。
それは、冬の地震が“災害として最悪の形”になりやすいからだ。
・寒さによる低体温リスク
・雪や凍結による避難の困難さ
・暖房器具による火災
・夜明けが遅く、暗闇の時間が長い
・正月や夜間など、在宅率が高い時間帯
冬は、地震そのものよりも、
地震のあとに起きる「二次被害」が重なりやすい季節なのである。
おすすめブログ 東日本大震災と葬儀業界──未曾有の事態に直面した現場の記録
冬の地震は、なぜ“最悪の形”になりやすいのか!?
停電が「不便」ではなく「命の問題」になる
夏の停電はつらい。
しかし、冬の停電はそれ以上に危険だ。
暖房が止まる。
電気毛布が使えない。
在宅医療や介護機器が止まる。
高齢者、乳幼児、持病を持つ人にとって、
冬の停電は命に直結するリスクになる。
「寒いだけだから大丈夫」と思った瞬間から、状況は一気に悪化する。
雪と寒さが「逃げる」という選択肢を奪う
地震が起きたら避難する。
それは防災の基本だ。
しかし冬は、その前提が簡単に崩れる。
・夜間で周囲が暗い
・路面が凍結している
・積雪で車が出せない
・徒歩での避難が困難
特に高齢者や子どもにとって、
冬の避難は「行けない避難」になりやすい。
冬の地震は、「逃げる前提」の防災を簡単に無力化する。

実は冬こそ、防災意識がいちばん下がる季節
冬は忙しさと寒さで、備えが後回しになる
冬は、意外とやることが多い。
正月、成人式、受験、年度末。
そして何より、寒くて動きたくない。
防災のことは頭の片隅にある。
でも、「今じゃなくていいか」と後回しになる。
この「あとで」が積み重なった結果、
冬は一番、無防備な状態になりやすい。
防災は「夏のもの」という思い込み
防災訓練は夏から秋が多い。
台風や豪雨のニュースも夏に集中する。
その結果、
防災=夏のもの
というイメージが無意識に刷り込まれている。
だからこそ、冬の地震は「想定外」になりやすい。
🔆顕正会とは?道端での勧誘に注意。教義や被害例から考える“宗教との距離感”
だから今、「冬に多い大地震」という言葉で伝えたい
この言葉は、恐怖を煽るためのものではない。
正確には、油断を壊すための言葉だ。
地震が起きなければ、それが一番いい。
何も起きない冬を迎えられるなら、それ以上のことはない。
ただ、備えていなかった後悔だけは、取り戻せない。
「冬に多い」という言葉が、
この冬を無事に越えるきっかけになるなら、意味はある。

この冬に見直したい、最低限の地震対策
今日できること(5分)
・スマホとモバイルバッテリーの充電確認
・懐中電灯の場所を把握
・暖房器具の転倒防止
今週中にやること
・毛布や防寒着の準備
・カセットガス(冬は多め)
・水の備蓄(凍結も想定)
正月前に考えておくこと
・夜間の避難動線
・家族の集合場所
・高齢者や独居の家族への声かけ
完璧である必要はない。
「冬仕様」にするだけで、防災は一段階上がる。

まとめ:
「冬に多いかどうか」より、「冬に無防備かどうか」
地震は季節を選ばない。
しかし、冬は被害が深刻になりやすい季節だ。
この冬を無事に越えるために、
今できることを一つでもやっておきたい。
何も起きなかった冬。
それが、一番の成功だ。
※地震の発生自体に明確な季節性はありません。
ただし、冬は寒さ・雪・停電が重なり、
被害が拡大しやすい季節であることは確かです。

