なぜ一部の宗教者は日本共産党を支持するのか?平和・人権・環境から探る意外な接点

宗教と社会

はじめに

「宗教と共産党は相容れない」——多くの人がそう感じているかもしれません。
共産主義は唯物論・無神論を基盤としており、歴史的に宗教と衝突してきたことは事実です。ソ連では正教会が弾圧され、中国でも文化大革命期に寺院や教会が破壊された歴史があります。

そのため「共産党=宗教に反する存在」というイメージは根強いでしょう。

しかし、現代日本に目を向けると、意外な現象が見えてきます。
それは、一部の宗教者が日本共産党を支持しているという現実です。

なぜ宗教と共産党という、一見対立する二つの立場に共通点が生まれるのでしょうか。
今回はその理由を「平和主義」「人権・弱者保護」「反原発・環境」という三つの視点から解説します。

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平和主義と反戦思想の一致

宗教の根本には「命を大切にし、殺してはならない」という倫理観があります。
キリスト教では「汝殺すなかれ」という十戒の教えがあり、仏教にも「不殺生戒」という生き物を殺してはならないという規範があります。宗派を問わず、多くの宗教が人の命を尊重することを重視してきました。

一方で、日本共産党もまた、戦争反対の立場を一貫して掲げてきた政党です。
特に日本国憲法の第9条を守ることを強調し、再軍備や集団的自衛権の拡大に反対してきました。

こうした「反戦・平和主義」という点で、宗教者と共産党は思想的に交わる部分があるのです。

実際に、牧師や僧侶が「戦争をさせないために共産党の姿勢を支持する」と街頭で発言するケースも報告されています。宗教者にとって「平和を守る」という価値は、信仰と同じくらい大切な行動規範であり、その実現のために共産党の立場と共感するのです。


人権尊重・弱者保護の価値観

宗教の実践活動の中で、もっとも重要なものの一つが「弱者への支援」です。
炊き出しや生活相談、DV被害者のシェルター運営、孤独な高齢者への見守りなど、多くの宗教団体が社会的弱者を支える活動を行っています。

日本共産党もまた、政治の場で生活困窮者や社会的に弱い立場の人々を守ることを訴えてきました。最低賃金の引き上げや非正規労働者の待遇改善、生活保護制度の充実など、格差是正に力を入れています。

このように、「弱者に寄り添う」という価値観は、宗教と共産党の双方に共通しているのです。

実際に、キリスト教の牧師や仏教の僧侶が共産党の街頭演説に参加し、「困窮者や障害を持つ人々に寄り添う姿勢に共感する」と表明する場面もあります。宗教者が支持するのは、党そのものではなく「人権尊重の姿勢」に対してだといえるでしょう。

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反原発・環境問題での共通点

2011年の福島第一原発事故以降、日本社会において「原発は本当に必要か?」という問いが広がりました。
宗教者の中でも「いのちの尊厳」の観点から原発に反対する声が強まり、自然との共生を説く教義と結びつけて訴えるケースが目立ちます。

日本共産党も、事故以前から「原発ゼロ」を訴えてきた政党です。福島の事故以降、その姿勢はさらに鮮明になり、再生可能エネルギーへの転換を提案しています。

この「反原発」という立場は、仏教の自然観やキリスト教の創造信仰(神が与えた自然を守るという考え)とも親和性が高いものです。

さらに、地球環境問題や気候変動への関心が高まる中で、「環境を守る」という観点からも宗教者と共産党が共感し合う場面が増えています。


それでも存在する“矛盾”

もちろん、宗教と共産党の関係がすべて順調なわけではありません。

日本共産党は唯物論を基盤とし、無神論的な立場を党の理念としているため、宗教そのものを肯定しているわけではありません。歴史的には「宗教はアヘン」と批判したマルクスの思想に立脚しているため、宗教界の中には根強い反発もあります。

実際、「宗教者が共産党を支持するのはおかしい」「信仰と相いれない」という批判も存在します。
つまり、支持する宗教者は「信仰と政策」を分けて考えており、「信仰の自由」を重んじながらも政策的な共鳴部分に注目しているといえます。

この矛盾を抱えたまま、それでも協力する場面があるのが現代日本の特徴です。

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まとめ

共産党と宗教は、歴史的には衝突の連続でした。
しかし現代の日本では、平和主義・人権擁護・反原発・環境といったテーマで両者が重なり合う部分があり、一部の宗教者は共産党を支持しています。

それは、共産党が宗教を受け入れたというよりも、宗教者が「信仰」と「政策」を切り分け、社会の課題解決という実践の中で共感を見出している結果だといえるでしょう。

宗教と政治は対立するだけでなく、時に協力し合うこともある。
その現実は、私たちが信仰と政治思想の関わり方をどう考えるべきかを問い直すきっかけになるのではないでしょうか。

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