なぜ東京23区の火葬場はこんなに高いのか?

葬儀の基礎知識

外資の影響と「下がらない構造」を現場目線で解説!!

「東京23区の火葬料金は高すぎる」
「外資が入ったから値上がりしたんじゃないの?」

葬儀に関わっていると、こうした声を本当によく聞きます。
たしかに、東京23区の火葬料金は、全国的に見ても突出して高い水準にあります。

ただし、その理由を一言で説明することはできません
外資の影響、民営構造、土地問題、人口集中、歴史的経緯――
いくつもの要因が、長い時間をかけて積み重なった結果です。

この記事では、
「なぜ高いのか」
「なぜ下がらないのか」
「外資の影響は本当にあったのか」
を、できるだけ冷静に整理します。

オススメ記事!!                                  日本の葬儀が変わる──公費葬・火葬場不足・外国人対応まで、現場が見た5つの危機


東京23区の火葬場は、そもそも「民営」が中心

東京23区の主要な火葬場の多くは、
東京博善 などの民間企業によって運営されています。

これは、地方や政令市と大きく違う点です。

地方では、
自治体が火葬場を運営し、
税金で維持され、
住民は無料〜数千円程度で利用できるケースが珍しくありません。

一方、東京23区では、

  • 民営が中心
  • 運営費は利用料で回収
  • 価格は市場原理で決まる

という仕組みです。

この時点で、
「安くなる前提」が存在しない構造
になっています。


東京23区では「火葬場を増やせない」

火葬料金が高止まりする最大の理由のひとつが、
供給を増やせないことです。

東京23区では、

  • 土地が極端に高い
  • 住民の反対(NIMBY問題)が起きやすい
  • 煙・環境・交通への懸念が強い
  • そもそも適した用地がほとんどない

という状況があります。

つまり、

亡くなる人は増える
でも火葬場は増やせない

という関係が、何十年も続いています。

需要が増えて、供給が増えない。
この条件下で、価格が下がる理由は見当たりません。


人口集中と高齢化で、需要は常に多い

東京23区の人口は約1,000万人。
高齢者数も全国トップクラスです。

さらに、

  • 病院・高齢者施設が集中している
  • 冬場や感染症流行期には火葬待ちが発生する

といった事情もあります。

火葬場側から見ると、

  • 予約は常に埋まっている
  • 空き枠を埋めるための値下げが不要

という状態です。

これは「儲けようとしている」というより、
値下げする必要が生まれない環境
と言ったほうが近いかもしれません。

読んで欲しい記事!!                               「公営 vs 民営 火葬場の違いを徹底比較:どちらを選ぶべきか、費用・サービス・選び方」


火葬は「ただ焼くだけ」ではない超コスト産業

火葬というと、
「シンプルだから安いのでは?」
と思われがちですが、実際は逆です。

火葬炉は、

  • 800〜1,000℃の高温運転
  • ガス・電力コストが非常に高い
  • 定期的な炉の交換・大規模修繕が必須
  • 専門技術者・管理者が必要

という、維持費の塊のような設備です。

特に東京は、

  • 人件費
  • エネルギーコスト

が全国トップクラス。

「何も足していないのに高い」
のではなく、
維持するだけで高くつく
という現実があります。


歴史的に「民営で固定された」東京の特殊事情

東京では、明治から戦後にかけて、

  • 火葬は忌避される施設だった
  • 行政が積極的に関与しなかった
  • 民間主導で整備が進んだ

という経緯があります。

その結果、
公営化されないまま現在まで固定
されました。

今さら自治体が、

  • 土地を取得し
  • 新設し
  • 反対意見を調整する

というのは、現実的にかなり難しい状況です。


「区民だから安い」という制度はほぼない

横浜市やさいたま市では、

  • 市民:1万円前後
  • 市外:数万円

という料金差があります。

しかし、東京23区の民営火葬場では、

  • 区民
  • 区外

で料金がほとんど変わらないケースが大半です。

「区民だから安くなるはず」
という感覚は、東京では通用しません。


外資の影響は「原因」ではなく「加速装置」

では、外資の影響は本当にあったのでしょうか。

結論から言うと、
外資が原因で高くなったわけではありません

外資以前から、値上げできる構造は完成していた

東京23区の火葬場は、

  • 競合がほぼない
  • 公営による価格抑制がない
  • 需要は常に多い

という状態が、外資参入以前から続いていました。

つまり、
値段が下がりにくい構造は、すでに出来上がっていた
ということです。

外資が入って変わったのは「考え方」

外資・投資ファンドの影響で変わったのは、
価格そのものよりも経営の視点です。

  • 公共インフラ意識 → 収益資産としての管理
  • 据え置き重視 → 適正利回りの確保
  • 感覚的価格 → 数値ベースの判断

これにより、

  • 炉グレードによる価格差の明確化
  • 値上げ判断の合理化

が進んだのは事実です。

ただし、
急激に跳ね上がったわけではありません

もともと高かったものが、
「下がらなくなった」
それが実態に近いでしょう。


正直な現場目線の結論

東京23区の火葬料金は、

  • 高いから高い
    のではなく、
  • 下がる理由が一切ない

という構造の中にあります。

外資は原因ではありません。
ただし、ブレーキ役でもありませんでした。

誰が運営しても、
今の条件が変わらない限り、
大きく下がる可能性は低い。

それが、現場で見えている現実です。


次の記事!!                                     葬儀業界入門編!!

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