創価学会は分裂したのか?

政治と宗教の構造

SNSの声と比例票で冷静に検証する

今回の衆議院選挙後、SNSでは
「創価学会に亀裂があるのではないか」
「元公明党支持層が割れているのでは」
という投稿が散見された。

確かに、政治再編や支援先の変更が起きれば、組織内部に摩擦が生まれるのは自然だ。

しかし重要なのは、

感情の揺れと、組織分裂は別物である

という点だ。

ここではSNSの空気と、比例票という数字の両面から、冷静に検証していきたい。


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分裂論はどこから生まれているのか

SNSでよく見られるのは、次のような声だ。

  • 「電話依頼が弱くなった」
  • 「以前ほどの熱量を感じない」
  • 「方向転換に違和感がある」
  • 「現場は本当に納得しているのか?」

これらは体感ベースの投稿である。

政治再編が起きた直後は、こうした疑問や違和感が表面化しやすい。
特にX(旧Twitter)はネガティブ感情が拡散されやすい構造を持つ。

怒りや疑問は「共感」で増幅される。

しかし、

拡散量=実態の大きさ
ではない。


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比例票という“動かない数字”

では実際の選挙データはどうか。

公明党の比例得票は、直近の国政選挙で

  • 衆院:約700万票前後
  • 参院:約600万票前後

2000年代前半の750〜800万票からは減少しているが、
ここ10年は大崩れしていない

もし本格的な分裂が起きていれば、

  • 100万票単位の急減
  • 重点小選挙区での顕著な取りこぼし

が起きるはずだ。

しかし、現時点ではその水準の急落は確認されていない。

つまり、

組織崩壊という状況には至っていない

というのが数字上の事実だ。


では何が起きているのか

分裂ではなく、考えられるのは「質の変化」だ。

1. 世代構造の変化

創価学会は高齢層の比率が高い。

  • 高齢層 → 投票行動が安定
  • 若年層 → SNS発信は活発だが投票行動は流動的

発信層と投票層が一致しないため、
SNSの温度がそのまま票に直結しない。


2. 支援先変更による“心理的摩擦”

組織は方針を決めれば動く。

しかし、

  • 理解
  • 納得
  • 行動

この3段階は常に一致するわけではない。

行動はしているが、感情は揺れている。
その感情がSNSに可視化されやすくなっている。

これは分裂ではなく、

内部温度差の可視化

と見るほうが自然だ。


3. 転換効率の問題

今回のように支援先が変わる場合、

  • 古参層は従う
  • 中間層は様子見
  • 若年層は無関心

というグラデーションが生まれやすい。

つまり、

100%の転換ではなく、
転換効率がわずかに下がる。

これも分裂とは違う。


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本当に“危険なライン”はどこか

煽りに流されないために、基準を持つべきだ。

本格的な構造変化が起きたと判断できるのは、

  • 比例票が500万台前半まで落ちる
  • 重点区で連続して取りこぼす
  • 内部関係者から公的批判が出る

このレベルだ。

今はそこまでではない。


結論:崩壊ではない。変化だ。

SNSでネガティブ発言が増えているのは事実だろう。

しかし比例票は安定圏にある。

今回見えたのは、

分裂ではなく、時代の変化

かつてのような無条件の一体感ではなく、
考えて動く組織へと移行している可能性。

創価学会の力は急落していない。
だが、影響力の“質”は確実に変わり始めている。

煽るのは簡単だ。

だが政治を分析するなら、
空気よりも数字を見るべきだろう。


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