――葬儀屋の視点で見る、現場で実際に起きている問題ーー
はじめに
友人葬は「自由で温かい葬儀」「仲間に囲まれて送る葬儀」というイメージで語られることが多い一方、
葬儀の現場では、実は慎重に扱われるケースも少なくありません。
私自身、これまで複数の葬儀社に関わってきましたが、
その多くで 「友人葬(創価学会)」は原則として受けない、もしくは慎重に判断する という方針が取られていました。
これは宗教そのものを否定しているわけではありません。
理由はもっと現実的で、近隣住民との関係リスク にあります。
この記事では、葬儀屋の視点から
「なぜ友人葬が敬遠されやすいのか」
その構造的な理由を、実際の現場感覚をもとに解説します。

【多くの葬儀社が「友人葬」に慎重になる理由
【葬儀社や火葬場は、もともと近隣トラブルを抱えやすい
葬儀社や火葬場は、立地の段階から近隣住民の反対を受けやすい施設です。
- 「家の近くにできてほしくない」
- 「資産価値が下がるのではないか」
- 「心理的に気持ちがいいものではない」
こうした感情は、表に出る出ないは別として、ほぼ必ず存在します。
実際、
「せっかく購入した家の近くに葬儀社や火葬場ができる」
という話は、資産価値・印象の面でも強い反発を生みやすい。
そのため多くの葬儀社は、
開業後こそが本当の勝負 と考えています。
近隣住民との関係を壊さないよう、
- 騒音への配慮
- 出入り時間の調整
- 車両導線の工夫
- 苦情が出た場合の即対応
こうしたことに、日常的に細心の注意を払っています。
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【葬儀社が最も恐れているのは「日常的なクレーム」
葬儀社にとって一番怖いのは、大きなトラブルではありません。
むしろ厄介なのは、
- 「最近うるさくない?」
- 「人の出入りが多すぎる」
- 「なんとなく嫌だ」
といった、日常に溶け込む不満です。
一度こうした空気が生まれると、
- クレームが連鎖する
- 事実以上に悪い印象が広がる
- それまで築いてきた信頼が一気に崩れる
ということが、現場では実際に起こります。
どれだけ注意深く運営していても、
「目立つ出来事」がきっかけで一気に関係が悪化することがある。
これが、葬儀社が常に抱えている現実です。

【友人葬は「目立ちやすい構造」を持っている
友人葬、特に創価学会の友人葬は、
葬儀の性質上、どうしても次の特徴を持ちやすくなります。
- 参列者の人数が多い
- 開始・終了の時間が読みづらい
- 声量が大きくなりやすい
- 人の出入りが長時間に及ぶ
これは良い・悪いの問題ではなく、構造の話です。
しかし、近隣住民の立場から見ると、
- 「今日はずいぶん騒がしい」
- 「何をやっているのかわからない」
- 「正直、気持ちが落ち着かない」
といった感情を生みやすいのも事実です。
実際に現場では、
「うるさい」「気持ち悪い」といった強い言葉が投げられるケースもあります。
こうした声が一度出てしまうと、
それまで問題なく運営できていた葬儀社でも、一気にリスクが高まります。
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なぜ「宗教の問題」ではなく「環境の問題」なのか
ここで強調しておきたいのは、
友人葬が敬遠される理由は、宗教的な是非ではない という点です。
多くの葬儀社が問題視しているのは、
- 近隣住民との関係性
- 長期的な営業リスク
- 一度生じた悪印象の回復の難しさ
といった、経営と地域とのバランスです。
宗教そのものを否定しているわけではありません。
むしろ、
「一度こじれた近隣関係は、簡単には戻らない」
という現場での実感が、
「できることなら友人葬は避けたい」という判断につながっています。

それでも友人葬が選ばれるケースもある
もちろん、すべての友人葬が問題になるわけではありません。
実際には、
- 家族・親族がしっかり理解している
- 規模を抑え、周囲への配慮が徹底されている
- 会場の立地や環境に適している
こうした条件が揃えば、
友人葬が穏やかに執り行われるケースもあります。
大切なのは、
「自由だから」「仲間が多いから」
ではなく、
その場所で、その形が本当に適しているか!!
を冷静に判断することです。
まとめ:葬儀社が友人葬に慎重になる本当の理由
友人葬が敬遠される背景には、
- 宗教的な対立
- 好き嫌いの問題
ではなく、
近隣住民との関係を守るための現実的な判断
があります。
葬儀社は、
「その一件の葬儀」だけでなく、
その地域でこれからも続いていく日常を背負っています。
だからこそ、
できる限りトラブルの芽を避けたい。
それが、
多くの葬儀社が友人葬に慎重になる、率直な理由なのです。

