はじめに
「葬儀は大手に頼めば安心」と、多くの人が考えます。テレビCMで名前を聞いたことがある、街中で見かける大きな式場を持っている、そんな理由から「有名な葬儀社にすれば失敗はない」と思うのは自然なことです。実際、私自身も過去に大手葬儀社を利用した経験があります。そこで感じた“良かった点”と“モヤモヤした点”を、包み隠さずお伝えします。

第1章:大手葬儀社の「安心感」は本物だった
有名な葬儀社を選んでまず感じたのは、「この会社なら間違いないだろう」という精神的な安堵感です。具体的には以下のような点で安心感がありました:
- 電話対応が24時間365日スムーズで、深夜でもすぐに対応してくれた
- 斎場や安置施設が綺麗で整備されている
- スタッフが制服を着ていて、マナーや言葉遣いも丁寧
- パンフレットや見積書がきちんと整っていて、金額が明瞭
- 式進行も滞りなく、時間通りで完璧に運営された
特に初めて喪主を務める場合、大手ならではのオペレーションの整い方には本当に助けられます。「何をどうすればいいかわからない」という不安が、丁寧な説明で一つひとつ解消されていきました。
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第2章:しかし、見えない“違和感”もあった
表面的には何も問題ない——でも、ふとした瞬間に「何か違うな」と思うことがありました。
- 担当者が頻繁に変わる(搬送の時と打合せの人、当日の進行担当がすべて別)
- 前回の葬儀を利用したことを記録で覚えていたが、会話には心がこもっていない
- オプションや返礼品の提案が、やや営業っぽくて冷たく感じた
- 感情に寄り添うというより、機械的な「流れ作業」の印象があった
例えば、「◯年前もご利用いただきましたよね?」と言われたとき、その情報が“心で覚えてくれていた”のではなく、“データベースから引き出した”だけなんだなと、妙に現実的な冷たさを感じてしまいました。
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第3章:大手葬儀社のメリット・デメリットを整理してみた
✅ 大手葬儀社のメリット
- マニュアルが整っており、誰が対応しても一定の品質が担保される
- パッケージ料金や互助会プランがあり、価格に透明性がある
- 設備・式場・人員が充実しており、大人数の葬儀にも対応可能
- 遠方や他県からの搬送・対応もスムーズ
❌ 大手葬儀社のデメリット
- 担当者がシフト制で変わるため、人間関係が築きにくい
- 「マニュアル以上」の柔軟対応には時間や手続きが必要
- 地域の風習や個別の希望に対応しづらいケースもある
- 感情的なつながりが薄く、“心”が伝わりにくい
結局のところ、大手の強みは「ミスを起こさない仕組み」ですが、そこに“人としての温かみ”が感じられるかどうかは、担当者の個性次第とも言えます。
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第4章:それでも“大手”を選ぶ価値はあるのか?
結論から言えば、「不安が大きいなら大手は正解」です。何よりも、初めて葬儀に関わる人にとって、段取りのスムーズさ・説明の丁寧さ・料金の明確さはとても重要だからです。
一方で、「家族らしい見送り」「人と人のつながりを感じたい」と思うなら、地元密着型の小さな葬儀社のほうが満足度は高いかもしれません。
葬儀は“心を込めて送る場”である以上、企業としての仕組みよりも“人”としての真心が問われる場面が多く存在します。その意味では、会社の規模よりも「誰が担当するか」が重要なのです。

第5章:有名な葬儀会社7社を分析してみた
ここで、実際に全国展開している大手葬儀社を簡単に分析してみましょう。
1. 燦ホールディングス(公益社)
- 上場企業。関西~首都圏に展開。
- 教育・マニュアルの徹底に定評あり。
- 外資系の影響なし。自社経営。
2. 日本セレモニー(典礼会館)
- 山口発。全国に会館を持つ。
- 地域密着と大手のバランス型。
- 外資やM&Aの報告なし。
3. ティア(TEAR)
- 上場企業(名古屋発)。
- 明朗会計と教育制度が強み。
- 社長自ら営業の第一線でPR。
4. よりそう(旧・みんれび)
- インターネット特化型。紹介プラットフォーム。
- 提携葬儀社によるサービスの質に差が出る。
5. さがみ典礼(アルファクラブ)
- 関東~東北で強い。
- 互助会ベースの営業スタイル。
- 提案営業が強めで、苦手な人には向かない。
6. セレモ(千葉)
- 地域密着型だがCM展開で知名度あり。
- 顧客対応にばらつきがあるとの口コミも。
7. JA葬祭
- 地方によってサービス差が大きい。
- 高齢者層との関係が深く、信頼は厚い。
- 業務は外注も多く、均一な品質は難しい面も。
おわりに
葬儀社選びに正解はありません。大手に頼んでも、小さな葬儀社に頼んでも、結局は“その場にいる人”が大切です。葬儀という大事な節目だからこそ、サービスの質と、心の通った対応の両方を見極める目が必要です。
もし迷ったら、実際に電話してみる、見積もりを取ってみる、スタッフの対応を肌で感じてみることをおすすめします。葬儀は一度きり。だからこそ、心から納得できる形で送りたいですね。