葬儀に関わる花屋とは？普通の花屋との違い

「花屋さん」と聞くと、多くの人は街角で花束を売ったり、ギフト用のアレンジメントを作ったりする姿を思い浮かべるのではないでしょうか。誕生日や記念日、母の日など、生活に彩りを添えるのが一般的な花屋の仕事です。

一方で、葬儀に関わる花屋は全く違う働き方をします。主に祭壇を花で飾る「祭壇花」や、親族や会社関係者から届く「供花」の設営・撤収が中心です。葬儀社から依頼を受け、式場で作業を行うことが多く、現場での対応力やスピードが求められます。

普通の花屋に比べると、葬儀花屋の方が給料は高めといわれています。その理由は、体力を使う重労働があることや、不規則な時間帯の仕事も含まれるためです。

葬儀系花屋の仕事内容を1日の流れで紹介

葬儀が始まる前に、祭壇を花で飾り付けます。
葬儀社や遺族の要望に応じてデザインを整え、花材を的確に扱う知識と技術が必要です。

供花は親族や会社関係者から届く大切な花。
「誰から届いた花か」を示す札を間違えないことが最も重要です。ここでのミスはトラブルに直結するため、注意深さが求められます。

出棺の場面では、葬儀社スタッフと共に棺を運ぶ補助を任されることもあります。花屋の仕事の枠を超えた役割ですが、現場では必要とされる動きのひとつです。

葬儀が終わると、一転してスピード勝負です。
式場は次の葬儀が控えているため、祭壇を“光の速さ”で片付ける必要があります。大きな花材や祭壇の骨組みを一気に撤収するのは、まさに肉体労働のピークです。

トラックで会社へ戻ると、花器や道具を下ろして清掃・整備を行います。ここまで終えてようやく1日が終了です。

意外に思われるかもしれませんが、1日の拘束時間が8時間だとしたら、本当に体力をフルに使うのは3〜4時間程度です。
残りは式場までの移動や、待機の時間が多いのが実情。常に動きっぱなしではない分「想像よりラク」と感じる人もいれば、「待っている時間が長くて落ち着かない」と思う人もいます。

一般の花屋は接客業の側面が強いですが、葬儀花屋は裏方作業が中心。お客さんと直接やりとりする機会はほとんどなく、接客が苦手な人でも続けやすい職場です。

仕事内容のハードさや拘束時間の不規則さが影響し、同じ花業界でも葬儀花屋の方が待遇は良い場合が多いです。

肉体労働があるのは確かですが、ピークは3〜4時間程度。その合間には移動や待機が挟まるため、体を休めることができます。

式場内での仕事が多いため、真夏の暑さや冬の寒さの影響を受けにくいのも利点です。

祭壇の設営や撤収では、重量のある花材や機材を扱うため、体力が必要です。

葬儀社から仕事をもらう立場である以上、現場では下請け的な立場になりがちです。中には横柄な態度を取る葬儀社スタッフもいて、理不尽に感じることもあります。

体力を酷使する時間は少ない反面、移動や待機が多く「効率が悪い」と感じる人もいます。時間の使い方にストレスを覚える人には合わないかもしれません。

葬儀の都合に合わせるため、早朝や深夜の作業もあります。生活リズムが乱れやすいのはデメリットです。

葬儀花屋は、見えないところで式を支える重要な存在です。
大変な部分もありますが、普通の花屋にはないやりがいや給料面での魅力があります。

「花屋を目指したいけれど、接客にはあまり自信がない」
そんな人にとって、葬儀花屋という選択肢は意外と合っているかもしれません。