
人生で何度も経験することのない「葬儀」。式が終わると、多くの場合は火葬場へ移動し、故人を送り出す最終段階へと進みます。
しかし、初めての経験だったり、地域や宗派によって流れが異なることから「どう動けばいいのだろう?」と不安になる方も少なくありません。
本記事では、火葬場での流れ・納めの式・収骨(骨上げ)の作法・直葬(火葬式)の注意点を、初めての方でもわかりやすく解説します。スタッフや係員の指示に従いつつも、最低限のマナーを知っておくことで、故人との最期のお別れを安心して執り行えるでしょう。
1.火葬場とは?
火葬場は、故人を火葬し、遺骨をお墓や納骨堂へとつなぐための施設です。日本では火葬が一般的で、葬儀後に棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ移動します。
呼び方は「火葬場」「斎場」と地域で異なり、葬儀式場と併設されている場合もあります。どの形であっても、火葬場は故人と物理的に最期の別れを交わす厳粛な場所です。

2.葬儀から火葬場へ移動する流れ
2-1.葬儀・告別式の終了
通夜・葬儀・告別式が終わると、参列者は棺に花を手向け「最後のお別れ」を行います。
2-2.出棺の準備
葬儀社スタッフや親族の手で棺を霊柩車へ運びます。声が掛かったら協力し、地域独自の風習(花びらを撒くなど)がある場合はスタッフに確認しましょう。
2-3.火葬場へ移動
霊柩車の後をマイクロバスや自家用車で追います。車内では静かに過ごし、故人への思いを胸に刻む時間としましょう。

3.火葬場に着いてからの流れ
火葬場に到着すると、葬儀社スタッフが手続きや火葬許可証の確認を行います。喪主や遺族は必要に応じて受付をしますが、ほとんどはスタッフが代行してくれるので安心です。
3-1.納めの式(炉前でのお別れ)
棺を火葬炉に納める前に行われる小さなセレモニーです。僧侶の読経がある場合もあれば、簡素に行われる場合もあります。
- 花を棺に入れる際は、合掌のタイミングを僧侶やスタッフに合わせる
- 喪主や遺族代表の挨拶があることも
涙するのは自然なこと。無理に堪えず、想いを込めて故人を見送りましょう。
3-2.火葬の実施と待合室での過ごし方
納めの式後、棺は火葬炉に納められます。火葬には通常1〜2時間かかり、その間は待合室で過ごします。
待合室でのマナー
- 大きな談笑は控える
- 携帯電話はマナーモードに設定
- 飲食が可能な場合もあるが節度を守る

4.収骨(骨上げ)のマナーと意味
火葬が終わると「収骨(しゅうこつ/骨上げ)」が行われます。
4-1.二人一組での収骨
遺骨は二人一組で箸を使い、骨壷へ納めます。箸渡し(箸から箸へ直接受け渡す行為)はNG。
4-2.足元から拾う理由
多くの地域では足から順に収骨し、最後に頭部や喉仏を納めます。これは故人が歩んだ人生を逆順にたどる意味や、仏の形を保つためともいわれます。
4-3.喉仏(のどぼとけ)の特別な意味
仏像に似た形を持つとされる「喉仏」は、収骨で最も神聖視される部位です。スタッフが案内してくれるので、安心して従いましょう。

5.火葬後の流れと心構え
5-1.法要や繰り上げ初七日
火葬後、初七日法要を葬儀と同日に行うケースが増えています。その後は会食(お斎)を行う場合もあります。
5-2.自宅安置や納骨
すぐに納骨せず、自宅に安置する家庭も多いです。四十九日や一周忌など節目に合わせて納骨する場合もあります。

6.直葬(火葬式)の場合の注意点
近年増えている「直葬(火葬式)」は、通夜や告別式を行わず、火葬のみで見送る葬儀形式です。
- 直葬でも炉前でのお別れは行われる
- 家族や親族のみで静かに行うのが一般的
- 収骨のマナーは通常の葬儀と同じ
費用や時間を抑えられる一方で、弔問の機会が減るため、事前に親族や関係者とよく相談しておきましょう。

7.迷ったらスタッフに相談を
火葬場スタッフ(係員や葬儀社の担当者)は、地域や宗派ごとの作法に詳しいプロです。
「花を入れる順番は?」
「収骨はどこから始めるの?」
といった素朴な疑問も気軽に相談できます。遠慮せず確認することが、マナー違反を防ぐ最良の方法です。
8.地域や宗派による違いを知る
仏教だけでなく、神道やキリスト教など宗派によって儀礼は異なります。
- 仏教:数珠や読経あり
- 神道:お祓いや玉串奉奠
- キリスト教:聖歌や祈り
ただし、花を手向けて故人を偲ぶ行為は共通です。地域特有の慣習がある場合は、事前に確認しておきましょう。

9.火葬場で注意したいポイント
9-1.服装
基本は喪服。直葬では平服可とされることもありますが、黒・グレーなど地味な服装が望ましいです。
9-2.香典や供物
直葬では「香典辞退」とする家庭もあります。案内状の記載に従いましょう。
9-3.子どもの連れ添い
小さなお子さんを同伴する場合は、静かにできるおもちゃや絵本を用意しておくと安心です。

10.まとめ|火葬場での最期のお別れを大切に
火葬場は、故人との物理的な最期の別れを行う重要な場所です。
✔ 迷ったらスタッフに確認する
✔ 花や合掌は合図に従う
✔ 収骨は足元から、箸渡しは禁止
✔ 直葬でも故人への敬意を忘れない
これらを意識すれば、初めてでも安心して臨めます。火葬場での流れを理解しておくことは、遺族にとって心の整理にもつながる大切なプロセスです。んの少しだけ作法を頭に入れておくと安心でしょう。
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