(保存版|年末に知っておきたい気遣いと基本)
なぜ年末年始は弔問が増えるのか
年末年始は、弔問が一年で最も増える時期です。
帰省や親族の集まりが増え、故人に関する情報が一気に共有されるため、
「葬儀に参列できなかったので、お線香だけでも…」という訪問が多くなります。
家族葬が普及したことで、葬儀に呼ばれなかった人が後日訪れるケースも増えています。
忙しい日常が一段落し、“訪問しやすい”心理になりやすいことも理由のひとつです。
弔問のタイミングはいつが良い?
年末は「28日まで」が目安
29日は「苦」や「二重苦」を連想させ避ける地域があります。
30〜31日は家族も忙しく、応対が難しくなるため控えめに。
年始は「4〜7日」が無難
1〜3日は“祝いの日”のため弔問は不向きです。
喪中の家庭でも、正月早々の訪問は負担になってしまいます。
いずれにしても、訪問前に必ず一言連絡を入れるのがマナーです。
持参するものと香典の目安
弔問の基本セット
- 白無地の封筒
- 数珠
- 線香
- 菓子折りなどの手土産

気持ちが大事なので、過度に高価なものは不要です。
香典の判断基準
- 亡くなって1〜2ヶ月 → 香典を持参
- 3ヶ月以降 → 菓子折りのみでもOK
- 家族葬で「香典辞退」の場合 → 手土産のみ
金額の目安は、
知人2,000〜3,000円、友人3,000〜5,000円、親族5,000〜10,000円程度。
年末年始の服装マナー
喪服ほどの格式は不要ですが、地味で落ち着いた服装が基本。
冬はコートでほとんど隠れるため、黒・グレー・ネイビーを選びます。
男女共通のポイント
- 派手な柄・明るいコートは避ける
- アクセサリーは最小限
- 香水・柔軟剤の匂いに注意
冬の弔問は室内が暖かく、コートを脱いだ時の服装も見られます。
黒ニット+黒パンツが最も無難です。
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訪問から帰るまでの流れとセリフ例
玄関での挨拶
- 「突然の訪問で失礼いたします。」
- 「この度はご愁傷さまでした。お線香をあげさせていただければと思います。」
これだけで十分丁寧です。
仏前での流れ
- 一礼
- 合掌
- 焼香
- 一礼して退く
宗派が違っても、この流れを押さえておけば問題ありません。
滞在時間は10〜20分
年末年始は特に忙しい時期。
長居はせず、短く静かに訪問するのが好印象です。
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手土産の選び方とNG例
選んで間違いない品
- カステラ
- 最中・羊羹
- 焼き菓子
- お線香のミニセット
賞味期限が長く、相手に負担をかけないものがベスト。
避けたい品
- 大きすぎる贈り物
- 冷蔵・冷凍食品
- 匂いの強いもの
- 花瓶やタオルなど“物が残る”もの
“消え物”を選ぶと安心です。

宗派別の最低限のマナー
仏教
合掌・焼香が基本。
細かい作法より“気持ち”が大事。
神道
拍手はせず、黙礼のみでOK。
玉串や作法は家庭訪問では不要です。
キリスト教・無宗教
黙祷のみで問題ありません。
年末年始にありがちな失敗と注意点
「おめでとうございます」は絶対NG
年末 → 「よいお年を」
年始 → 「あけまして〜」
どちらも“祝いの言葉”で弔問には不適切。
代わりに
「寒い中お疲れが出ませんように」
「今年もよろしくお願いいたします」
が無難です。
香典の新札は避ける
新札は“事前に用意した”と見なされてしまいます。
折り目のあるお札を使いましょう。
年末に不幸があった家庭の負担を理解する
年末は役所が閉まり、火葬場も混み、家族は疲労困憊のケースが多いです。
冬場は死亡数が増えるため、葬儀・火葬が集中するのも事実。
弔問は「相手の負担にならない」ことがもっとも大切です。
まとめ|年末年始の弔問は“控えめ・短く・静かに”
最後に押さえるポイントは次の3つ。
- 訪問は28日まで、または年始4〜7日
- 服装は地味で落ち着いた色
- 手土産は“消え物”で気を遣わせない
年末年始の弔問は、作法よりも“心遣い”がすべてです。
相手の生活リズムや疲れ具合を想像しながら、短く丁寧に訪問すること。それだけで十分に気持ちは伝わります。

